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09-08-02 座学講習 [講習会・行事]

今日はセーリング講習会なのですが、昨夜までは日中曇りの予報だったので実施することにしてしまいました・・・ところが今朝確認してみると、予報に変化はないものの、雨雲レーダーを見る限り明らかに日中も雨が降ったり止んだりの天気のようです。

雨のセーリングも悪くはないのですが、セールを乾かすことができないことと新規入会された会員さんたちはまだオイルスキン等の雨具が不十分なので、原則中止としています。

ところが今日は、実施の連絡をしてしまっているので、船内での座学の用意をして東京湾マリーナに向かいました。

東京湾マリーナに到着すると、小雨が降っていてこれから雨雲がやって来るところ・・・やはり午前中は無理と判断して座学を行うことにしました。

今日は基本中の基本であるもやいの取り方を題材に、①基本的なもやい(スプリングを含む)の取り方、②係船装置と他艇の使用可能性の有無による結び方の選択、③ラインとスプリングの役割の違い、④浮き桟橋と固定桟橋における各もやいのテンションの違いやその考え方(固定桟橋の場合は潮の干満を考慮する必要がある)などを中心に、ノートに図解しながら解説をしました。

1200、未だ小雨交じりの空模様なので、セイルに発生した揚力を推進力とするための力学的関係の基本をおさらいし、一般的なフィンキール&ドライブシャフトの艇「DreamQuesut」とフィンキール&セールドライブ艇「BIGBEAR」や「みずなぎ」、さらにロングキール艇「Bambino」の機走における特性の違いを理論的な面から解説しました。

1300、ここまで座学を終えたところで雨も上がりましたが、雨雲レーダーを確認すると2時間後位にまた次の雨雲がやってきそうですし、天気予報も雨の予報に変わりましたので、今日はここまで!ということで、1310解散としました。

090802_1.jpg表は、以前クラブの掲示板に掲載したものですが、固定桟橋係留時における干満差ともやいの長さに応じた考慮すべき余裕を表したもので、図Aに示すとおり満潮時に桟橋と艇のもやいが水平になる場合のものです。

図Bのように満潮時は艇の方が、干潮時には桟橋の方が高くなるような場合は、干満差をほぼ1/2として考えれば良く、図CやDの様に満潮時でも桟橋の方が高い場合は、実用的に図Aとほぼ同じと考えて差し支えありません。

東京湾における大潮の最大干満差は約2mですので、満潮時10mの長さのもやいが取れるのであれば、20cm余裕を見て固定すれば良いということになります。

固定桟橋におけるもやいは、この長さに応じた余裕を持たせないと1本に全重量がかかりもやいが切れるということもあります。

また、宙吊りやもやい切れが怖くて必要以上に余裕を持たせれば艇が暴れますし、必要以上にもやいの数を増やせば、他船の係留を妨げたり夜間足元を悪くするだけですので注意が必要です。
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コメント 4

通りすがりのものですが

舫の長さは静水時の考え方ですね
実際には引き波等が有るためもう少し出さないと舫とクリートに負荷が掛かりますね
舫ロープにも収縮がありクッションの役目もします
可能な範囲で(常識的に)長めが良いと思われますが
当然、第一の目的である船を繋ぎ止め、損傷を与えない事が前提ですが

いつも為になるお話、有難うございます
by 通りすがりのものですが (2009-08-04 20:45) 

hoota

通りすがりさんのおっしゃるとおりです。
実際は波の影響があり、特に船舶の出入りの激しい岸壁では干満差+0.5mで計算した方が良いと思いますし、実践ではそのように解説しています。
もやいは長めに取れればその分船が安定するのですが、前後に他船が係留する場合はあまり長く取れないので、ラインは短めで弛みを多く、スプリングは長めで弛みを少なくとなるのが通常です。
この時、この表程度の弛みを各長さに応じて確保すれば、干潮時の各もやいのテンションがほぼ同じになるので、もやいが切れたり、艇が暴れたりしなくなるという理屈です。
更に、反対舷の前後からラインと同じ係船装置にもやいを取ると、満潮時に風向きが変わってもバウやスタンが岸壁に当たるのを防ぐことができます。
by hoota (2009-08-04 22:52) 

さとうしゅう

干満による、もやいの追加長さ計算式が簡単にできないか
エクセルで考えました

満潮時に桟橋と艇のもやいが水平のとき、
干満差=T(m) とすると、
追加長さ=Ma(m) は

もやい2mのとき Ma=0.7T-0.6
もやい3mのとき Ma=0.6T-0.5
もやい4mのとき Ma=0.5T-0.4
もやい5mのとき Ma=0.4T-0.3
もやい6m~9mのとき Ma=0.3T-0.2
もやい10m~のとき Ma=0.2T-0.1
ただし干満差T<3m(こんなにあるところは日本にない?)

でだいたい理想値の+0.2m以内に収まります
覚えやすくて良いんじゃないでしょうか?
干満差2mのときのもやい2m、とかは現実的でないので
このへんは常識的対応を願います。

あとは通りすがりさんの波マージンを追加ですね。
by さとうしゅう (2009-08-06 13:17) 

hoota

ピタゴラスの定理ですので・・・エクセルでしたら

満潮時に桟橋と艇のもやいが水平のとき、
干満差=T(m) 、弛みを無くした時のもやいの長さ=M(m)とすると、
追加長さ=Ma(m) は

=SQRT(T^2+M^2)-M で求められます。
波マージンを含める場合は T を (T+0.5) とします。
0.1m単位でまるめたい場合は、
=ROUND(SQRT(T^2+M^2)-M,1) とすると少数第2位(1cm単位)を四捨五入します。
波マージンを含め10cm単位で表示したい場合は、
=ROUND(SQRT((T+0.5)^2+M^2)-M,1)*100 とすればOKです(本文表の1段下を見れば良い訳ですが・・・)。
TとMをセル参照にすれば簡単に表が作成できます。

ちなみに、厳密に定義するのであれば、Mは係船装置からではなく、岸壁の角から船のフェアリーダー等までの長さを基準としなければなりませんが、実用上は、そこまで気を使う必要はありません。

瀬戸内海の大潮の最大干満差は約3mになります。
係留当日の係留場所における干満差は、MICS(PC用URL:http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/mics/:携帯にURL送信機能あり。携帯から直接アクセスする場合は、最後にm/を追加)を携帯電話にブックマークしておけば、簡単に参照できます。
by hoota (2009-08-06 15:09) 

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